作図や工事の様子等の事例を掲載しています
projects
これまでにお世話になった施工実績や実際の作業の様子、作図などをご紹介しています。ご相談いただく際のご参考までに。
GION TACHINOMI 山根子
京都祇園は八坂神社近くの観光地ど真ん中、築約150年の元お茶屋さんであった京町家。
「オリジナルクラフトビールサーバーに日本酒他種、京都府産こだわりの品々に米麹」をメインとした飲食店舗へのリノベーション新装工事。
柱、梁、外壁等の躯体だけが残されたスケルトンからの再出発、躯体補強はもちろん、以前別棟だったであろう名残があった為に足固の床下梁組みがオーナー側で施工されていた。
これらを残しながらの設計スタートとなり、1Fは立飲みをメインとした空間の為、厨房と客席の床レベルを揃えて目線が合うように計画、坪庭を望みながら気軽に飲める様にメインカウンターを配置した。
2Fの半分は客席とし、既存柱を活かし、一本あるだけであたかも仕切りがあるかの様に感じるカウンター空間を配置、入口土間上部及び対角線側上部を吹抜けとする事で、空気の流れ・賑わいが感じられるように計画。
そして、何よりも出来る限り既存部分で残せるところは残して歴史が感じられるように新旧融合させたプロジェクトとなった。
お店のInstagramはこちら
・物件概要
京都市東山区
木造2階建て
床面積 97.00㎡
2023年4月竣工
設計:S+Architects一級建築士事務所 花本 晋
施工:伊勢建築事務所株式会社
旧唐瀧家住宅 保存活用
昭和8年築の木造の京町家を飲食店とイベントスペースにリノベーション。
一つの敷地内に母屋と離れの2棟が建てられており、離れからの敷地内通路の幅が有効1m50cmを確保できない等、各所で現行の建築基準法に遡及する事が困難な為、建築基準法の適用を除外する条例(京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例)を適用した物件。
ミャンマー(旧ビルマ)在住経験のあるオーナーよりミャンマーをはじめとするアジアの古くて趣のある良質な素材が各所の仕上げ材として支給され使われている。
象を用いて運搬されていた時代のラオスで伐採されたチーク材を加工した床材やタイの仏教寺院の屋根に使用されていたチーク材を再構成したパネル、シンガポールにて発掘・再生された「 プラナカンタイル」、お蔵入りしていた「マジョリカタイル」など屋内各所に古くても趣のある素材をふんだんに採用する事を試み、京町家という日本古来からの住空間に異国素材を融合させる事で新しいテイストとして完成させている。
建物を末永く残していきたいというオーナーの想いが可視化されたノスタルジックな空間が創られ今日に至る。
京都市文化財保護課主催『京都を彩る建物や庭園』に朱雀分木町の町家として認定